概要
アースドリル工法の特長を生かしながら、杭の軸部から拡底部までの掘削工程を一貫施工で行い、孔底部を専用の拡底バケットにより、杭先端の断面積を大きくした場所打ち杭を造成する工法です。拡底杭は杭支持力増大のため有効な方法で、排土量やコンクリート量が減少できるなど、経済施工を可能にします。
特長
- 杭先端の支持力を大幅に増大させることが可能。
- 硬質地盤の掘削が可能であり、支持層への確実な根入れが確保できる。
- 掘削土量や使用コンクリート、鉄筋などの使用量を低減させることが可能。
- 記録装置により拡大量などの施工管理が容易。
- 工期の短縮、工事費の節約が可能。
評定事項
長期(kg/cm2) | 短期(kg/cm2) | ||
---|---|---|---|
圧縮 | せん断 | 圧縮 | せん断 |
かつ80以下 | かつ 以下 | 長期の2倍 | 長期の1.5倍 |
ここに、設計基準強度は180〜320kg/cm2
ただし、Fc: 設計基準強度(kg/cm2)
この時
- 所要スランプ: 20cm以下
- 水セメント比: 60%以下
- 単位セメント量: 330kg/m3以上
- 所要空気量: 4%(基準)
- 粗骨材の最大寸法: 25mm以下
バケット型式 | 軸部径 d(mm) | 拡底径 D(mm) | 最大拡底率 |
---|---|---|---|
BK-10 II | 1000〜1300 | 1000〜1700 | 2.56 |
BK-11 | 1100〜1400 | 1200〜1900 | 2.68 |
BK-12 II | 1200〜1500 | 1300〜2100 | 2.78 |
BK-13 | 1300〜1700 | 1400〜2400 | 3.13 |
BK-15 II | 1500〜2000 | 1600〜2700 | 3.00 |
BK-17 | 1700〜2300 | 1800〜3100 | 3.11 |
BK-20 | 2000〜2600 | 2100〜3600 | 3.06 |
BK-23 | 2300〜3000 | 2400〜4100 | 3.02 |
ただし
- 拡底径 D=4.1m以下
- 有効径 杭先端拡底部の有効径は、拡底径より100mm(拡底部周縁より各々50mm)を差し引いた値とする。
- 拡底率=有効底面積/軸部面積 = 3.2以下
- 拡底部の鉛直に対する傾斜角 = 12°以下
- 拡底部の立上り高さ h2 = 500mm以上
任意の作業半径
フロントフレームが上方位置から下方位置へ同じ作業半径で下げる事ができ、下方位置に下げた量だけ深く掘削できます。特にフロントフレーム下方位置ではケリーバの張り出しが小さいため掘削孔の位置精度の向上が図れます。
拡底施工管理装置
ディスプレイ上で深度、拡底径、掘削量が一目でモニタで確認でき、バケット操作はディスプレイと対話方式の作業ができます。目標拡底径までに達したらチャイムが鳴り作業完了を知らせます。施工記録は拡底杭施工完了時にプリンタより出力され、また、LSIカードに保存可能なシステムになっています。