概要
SY工法は、拡底部径を軸部径の2倍以上拡大掘削(拡底部面積最大4.84倍)することにより大きな支持力を得ることが出来る新しい場所打ちコンクリート拡底杭工法です。
特長
- 拡底率を従来の3.2倍から最大4.84倍に拡大。経済的な設計に対応可能。
- コンクリートの設計基準強度45N/mm2まで対応可能。(構造体強度補正値mSnは、0N/mm2とすることができる)
- 傾斜角16°の機械式機構により拡底バケットを小型化。小型掘削機にも対応可能。
- 全周回転掘削機と反力装置によってオールケーシング工法でも拡底部掘削が可能。
- 拡大翼制限ストッパーによる機械的な制限機能で確実に管理。
- 施工試験において底ざらい能力の高さを確認。
- φ4100㎜を超える拡底径にはパンタグラフ式の専用スライム処理機を新開発。
- FEM解析や1/10モデル破壊実験により安全性を確認。
- 各種施工実験により施工の安全性を確認。
評定事項
コンクリートの種類 | 長期 | 短期 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
圧縮 | せん断 | 付着 | 圧縮 | せん断 | 付着 | |
普通コンクリート |
又は のうち何れか小さい数値 |
又は のうち何れか小さい数値 |
長期の2倍 | 長期の1.5倍 | 長期の1.5倍 |
ただし、Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2)は、18〜45N/mm2とする。
なお、コンクリートの呼び強度は、設計基準強度以上とする(構造体強度補正値mSnは、ON/mm2とすることができる)。
拡底バケットの機構と特徴
-
(1)開翼動作
主軸(点線囲い)の上部を押し下げることにより、開閉アームが外側へ押し出され、拡大翼が開く。
拡大翼開翼時
- 主軸の上部を押し下げる
- 主軸が下がる
- 開閉アームが外側へスライドする
- 拡大翼が開く(力の伝達方向→)
-
(2)閉翼動作
主軸(点線囲い)の上部を引き上げることにより、開閉アームが内側へ引き寄せられ、拡大翼が閉じる。
拡大翼閉翼時
- 主軸の上部を引き下げる
- 主軸が上がる
- 開閉アームが内側へスライドする
- 拡大翼が閉まる(力の伝達方向→)
拡底バケットの作動状況
拡底杭の形状・寸法
拡底バケットの形式 | 軸部径D(mm) | 拡底径D1(mm) | 傾斜角(° ) | 最大拡底率 |
---|---|---|---|---|
SY-0817 | 800〜1600 | 900〜1700 | 0〜16 | 4.00 |
SY-0920 | 900〜1900 | 1000〜2000 | 0〜16 | 4.46 |
SY-1023 | 1000〜2200 | 1100〜2300 | 0〜16 | 4.84 |
SY-1125 | 1100〜2400 | 1200〜2500 | 0〜16 | 4.76 |
SY-1227 | 1200〜2600 | 1300〜2700 | 0〜16 | 4.69 |
SY-1328 | 1300〜2700 | 1400〜2800 | 0〜16 | 4.31 |
SY-1431 | 1400〜3000 | 1500〜3100 | 0〜16 | 4.59 |
SY-1533 | 1500〜3200 | 1600〜3300 | 0〜16 | 4.55 |
SY-1636 | 1600〜3500 | 1700〜3600 | 0〜16 | 4.79 |
SY-1738 | 1700〜3700 | 1800〜3800 | 0〜16 | 4.74 |
SY-1840 | 1800〜3900 | 1900〜4000 | 0〜16 | 4.69 |
SY-1942 | 1900〜4100 | 2000〜4200 | 0〜16 | 4.66 |
SY-2045 | 2000〜4400 | 2100〜4500 | 0〜16 | 4.84 |
SY-2147 | 2100〜4600 | 2200〜4700 | 0〜16 | 4.80 |
拡底バケット 全機種
直杭・従来拡底杭・SY杭の比較(一例: 拡底径φ2300mmの場合)
拡底検知システム
拡底量の検知はロータリーエンコーダにより、拡大翼開閉ロッドの変位量を測定し、拡底幅を求める。
-
掘削深度及びバケットの現在深度・拡底状況・バケット取り込み量を画面に表示します。